目的が違う「大学」と「専門学校」
「君の学力では大学や短大は無理だろう。就職がいやなら専門学校しかないな」
「君の学力で専門学校へ行くなんてもったいないよ。短大か大学へ行きなさい」−。
こんな指導が高校の進路指導室では、日常茶飯事に行われています。
こうした風潮は、一般社会に根強く残っており、高校生やその父母たちもこのように考えているようです。
でも本当にそうでしょうか。
ここで問題にしたいのは、学業成績が優秀であることと人間が生きていく上で糧となる能力は、まったく別だということです。
学業は人間の能力のひとつであって、学業の優劣が人間の評価を決めるわけではありません。
けれども日本ほど、人の能力評価を学業にこだわって、短絡的に判断する国民はいないといわれています。
人間は、一人ひとりが異なった能力を持って生まれてきているのです。
この多様な能力を生かす教育こそ、専門学校がめざしているものなのです。
「大学がダメなら専門学校へ」ではなく、基本的には「大学か専門学校か」という問題なのです。
ここで、大学と専門学校の違いを明確にするために、学校教育法に目を転じてみましょう。
まず、大学は
「学術の中心として広く知識を授けるとともに、深く専門の学芸を教授し、知的、道徳的及び応用的能力を展開させる」
とされています。
一方、専修学校は
「職業もしくは実際生活に必要な能力を育成し、または教養の向上を図る」
とあります。
短期大学は大学と専修学校の中間にあり
「深く専門の学芸を教授研究し、職業または実際生活に必要な能力を育成する」
となっています。
高等教育機関として大学、短期大学、専門学校の教育目的がそれぞれ学校教育法にうたわれてはいますが、本当にその目的に沿って学んでいるのが専門学校生ではないでしょうか。
いまどきの大学生に、学校教育法の目的をふりかざしでもしたら、
「お前の頭はふた昔も前に停止しているのではないか」
と疑われるのがオチでしょう。
もちろん、目的に向かって学術の研究に没頭している学生がいないわけではありませんが、今日の大学生の意識は程度の差こそあれ、推して知るべしというところです。
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