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目的が違う「大学」と「専門学校」
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専修学校には「100年」の歴史がある
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専門学校の就職戦線は好調
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大学の個性化は「軽薄短小」指向?
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専門学校生と大学生の意識調査
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専修学校には八つの分野がある
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三つの課程を持つ専修学校
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目的が違う「大学」と「専門学校」
「君の学力では大学や短大は無理だろう。就職がいやなら専門学校しかないな」
「君の学力で専門学校へ行くなんてもったいないよ。短大か大学へ行きなさい」−。
こんな指導が高校の進路指導室では、日常茶飯事に行われています。
こうした風潮は、一般社会に根強く残っており、高校生やその父母たちもこのように考えているようです。
でも本当にそうでしょうか。
ここで問題にしたいのは、学業成績が優秀であることと人間が生きていく上で糧となる能力は、まったく別だということです。
学業は人間の能力のひとつであって、学業の優劣が人間の評価を決めるわけではありません。
けれども日本ほど、人の能力評価を学業にこだわって、短絡的に判断する国民はいないといわれています。
人間は、一人ひとりが異なった能力を持って生まれてきているのです。
この多様な能力を生かす教育こそ、専門学校がめざしているものなのです。
「大学がダメなら専門学校へ」ではなく、基本的には「大学か専門学校か」という問題なのです。
ここで、大学と専門学校の違いを明確にするために、学校教育法に目を転じてみましょう。
まず、大学は
「学術の中心として広く知識を授けるとともに、深く専門の学芸を教授し、知的、道徳的及び応用的能力を展開させる」
とされています。
一方、専修学校は
「職業もしくは実際生活に必要な能力を育成し、または教養の向上を図る」
とあります。
短期大学は大学と専修学校の中間にあり
「深く専門の学芸を教授研究し、職業または実際生活に必要な能力を育成する」
となっています。
高等教育機関として大学、短期大学、専門学校の教育目的がそれぞれ学校教育法にうたわれてはいますが、本当にその目的に沿って学んでいるのが専門学校生ではないでしょうか。
いまどきの大学生に、学校教育法の目的をふりかざしでもしたら、
「お前の頭はふた昔も前に停止しているのではないか」
と疑われるのがオチでしょう。
もちろん、目的に向かって学術の研究に没頭している学生がいないわけではありませんが、今日の大学生の意識は程度の差こそあれ、推して知るべしというところです。
カテゴリー:専門学校を理解する
専修学校には「100年」の歴史がある
大学の中には100年に及ぶ歴史を持つ学校もあります。
これに対し、専修学校は発足からわずか15年を迎えたところです。
ところがこの対比は、制度上は正しいといえますが、実際には正確とはいえません。
昨年10月、「堅実」を校是とする中央工学校、さらに「有算老勝」を掲げた村田簿記学校の創立80周年記念式典が、厳かに都内のホテルなどで挙行されました。
両校とも、創立は明治42年です。
「なぜ?」という疑問に答えるためには、専修学校の生い立ちから始めなければなりません。
専修学校制度が発足する以前、各種学校という学校群が約8000校もあり、120万人もの生徒を抱えて、時代が求める職業人を養成していました。
しかし各種学校は、学校教育法の中で「学校教育に類する教育を行うもの」と規定されていたにすぎず、その振興を図る上で、多くの困難を伴っていたのです。
そこで、各種学校関係者の多年に及ぶ努力の結果、
(1)修業年限が一年以上、
(2)授業時数が年間800時間以上、
(3)教育を受ける者が常時40人以上
などの要件を満たした学校を「専修学校」という新しい教育制度の中に位置づけたのです。
各種学校の歴史は古く、明治21年の教育令に
「学校ハ小学校、中学校、大学校、師範学校、専門学校、其ノ他各種ノ学校トス」
とあり、この「各種ノ学校」が各種学校の起源とされています。
このように、専修学校も大学と同じく、優に100年の歴史を誇っているのです。
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専門学校の就職戦線は好調
「即戦力」が売りものの専門学校生の就職状況は、最近の好景気と相まって非常に好調です。
専門学校の伸びが大きいのは、制度が発足して14年を経過し社会に広く浸透したこと、
実際的な専門技術を身につけたスペシャリストの需要が増加していること、
中堅・中小企業の即戦力というニーズに合致していること
などがあります。
事実、東京商工会議所、東京中小企業家同友会などの団体はここ数年、専門学校生を重要な採用マーケットとみなして、専修学校の全国組織である「全国専修学校各種学校総連合会」に対し、盛んに「ラブコール」を送っているのが現状です。
ところで、「大学や短大と比べて専門学校の就職はどうなのか」という声をよく耳にします。
けれどもこの質問の裏には、偏差値的な発想があるように思われてなりません。
というのも、一般に就職に有利かどうかを判断する尺度が、大企業への就職率だと考えられているからです。
マスコミも、夏から秋の就職戦線のころは、その年の様子を「どしゃぶり」「うす曇り」「二転して快晴」などと天気にたとえ、面白おかしく報じていますが、これらはすべて大企業を対象としているのです。
こうした近視眼的な見方ではなく、わが国の企業の九割近くが中堅・中小企業で占められている現実を、客観的に見つめなければなりません。
専門学校は、社会のニーズに応える職業教育機関であり、たかだか一割程度の大企業の人材養成のためにあるわけではないのです。
人間営為の根幹をなす職業人を養成し、広く地域社会を支えているのです。
したがって専修学校の分野は、(1)工業、(2)農業、(3)医療、(4)衛生、(5)教育・社会福祉、(6)商業実務、(7)家政、(8)文化・教養に分けられますが、(2)、(3)、(4)、(5)の分野はほとんど、大企業を就職の対象としていません。
専修学校生(約74万人)全体の29.9%の卒業後の進路は、大企業と関係がないのです。
看護婦、臨床検査技師、歯科衛生士などの医療系、保母、幼稚園教諭などの教育系、栄養士、調理師などの衛生系はまさに、コミュニティー社会を支えている貴重な人材を養成しているといえます。
一方、(1)、(6)、(7)、(8)の四分野は大企業も就職の対象となりますが、大学と比較してどうかといえば、一概に結論を出すことはできません。
もちろん、並みの短大や大学をはるかに超える勢いで大企業に卒業生を送り込んでいる専門学校もありますが、設置学科などをよく検討してみると、全体的に「鶏口となるも牛後となるなかれ」ということになります。
つまり、大企業のシリについているよりは、中堅・中小企業のカシラになる人材を養成しているのです。
いずれにしても、学歴安売りの時代ですから、専門学校生の場合は実学を身につけ、就職に対する周到な準備と計画、それに意欲があれば、まず大夫丈といえるでしょう。
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大学の個性化は「軽薄短小」指向?
18歳人口は平成四年をピークに、急減期に入ります。
205万人を頂点に減少し、17年後には30万人台にまで落ち込みます。
もし、「大学がダメなら専門学校へ」という誤った風潮が定着してしまうと、専門学校へ入る若者は、将来、ゼロということになります。
18歳人口の急減をにらんで、大学をはじめとする高等教育機関はいま、生き残りをかけたすさまじい競争に突入しています。
まさに高卒者は、「金のクマゴ」になっているのです。
特に大学や短大は、イメージ一新を図ろうと腐心しているようです。
そのいい例が大学の「個性化」です。
個性化といえば聞こえはいいのですが、二ヶ月に及ぶ企業への「実務研修」を必修科目にすえてみたり、米国への派遣留学をうたい文句に「客寄せ」を企てる大学まで出現しています。
そして何よりも、最近のパンフレットの変わりようには驚かされてしまいます。
そのカラフルさの向こうには、とても最高学府たる文化の香りもしないのです。
大学があたかも企業の「予備校」でもあるかのように、一流企業への就職実績を誇示しているところさえあります。
余談ですが、入学試験を東京ドームや幕張メッセで行う大学も出てきました。
これも生き残りをかけた作戦のひとつで、話題づくりの苦肉の策だそうです。
大勢の若者を集めて大学の外で入試を行い、ふるいにかけるやり方は、こっけいとしかいいようがありません。
こうした「軽薄短小」的な思考が、本当に大学の個性化なのでしょうか。
大学は近い将来、二極分化するといわれています。
ひとつは、大学本来の学問領域に立ちながら、時代の進展に即応した教育内容で個性化を図ろうというものです。
もうひとつは、実社会が求める即戦的な能力を磨こうという大学です。
後者はいわば、大学の「専門学校化」ともいえる動きでしょう。
カテゴリー:専門学校を理解する
専門学校生と大学生の意識調査
ここで、専門学校生と大学生の意識の違いをみてみましょう。
文部省が平成元年七月に発表した高卒者の意識調査(昭和六三年度中学校及び高等学校における進路指導に関する総合的実態調査)によると、
大学・短大生は
(1)仲間と楽しく過ごしている(72.3%)、
(2)自分の将来のためになる(56.6%)、
(3)自分の興味や好みに合っている(44.6%)
となっています。
これに対し専門学校生の意識は、
(1)自分の将来のためになる(81%)、
(2)仲間と楽しく過ごしている(66.3%)、
(3)自分の興味や好みに合っている(49.8%)
という結果が出ています。
このように、専門学校生の学んでいる意識は「自分のためになる」をトップと回答しているわけです。
次に、大学・短大進学者と専門学校進学者の入学動機を探ってみましょう。
大学・短大生調査については大東京火災海上、専門学校生調査は都立労働研究所が、ともに昨春まとめたものです。
大学・短大への進学動機のトップは「しばらく自由な時をすごすため」(60.8%)で、以下「自分の適性をみつけるため」(49.6%)、「好きな分野を勉強するため」(35.8%)、「皆が行くから」(18.4%)と続いています。
一方、専門学校生の入学動機を都立労働研究所の調査でみてみると、
「専門知識・技術の習得」がトップで76%を占め、
以下「免許・資格の取得」(41%)、
「実務知識の習得」(39%)となっています。
第四位に「進学(大学等)の失敗」が24.3%あるものの、第五位の「大学等で学べない」(13.9%)を含めると、
専門学校生は明確な目的を持って専門知識や技術を習得し、併せて資格も取得するといった意識が浮かび上がってきます。
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専修学校には八つの分野がある
専修学校は便宜上、(1)工業、(2)農業、(3)医療、(4)衛生、(5)教育・社会福祉、(6)商業実務、(7)家政、(8)文化・教養の8分野に分かれています。
この分野がさらに細分化され、あらゆる職業をカバーした学科に区分けされているわけです。
ですから分野別、学科別の学生・生徒数の増減である程度、時代の流れを読むことができます。
では次に、八分野の主な設置学科と、学生・生徒数の動向をみてみましょう。
工業分野: 基幹学科から最新学科まで
日本が世界をリードする工業国家に発展してきた過程で、この分野の専修学校が果たした役割は計り知れません。
大別すると(1)測量科、(2)土木・建築科、(3)電気・電子科、(4)無線・通信料、(5)自動車整備科、(6)機械科、(7)電子計算機科、(8)情報処理科、(9)その他の学科、に分かれます。
土木・建築・電気・機械などの基幹学科だけでなく、情報処理学科や生命工学(バイオテクノロジー)科など先端技術分野の学科まで設置し、広範な分野に中堅技術者を送り出しています。
学生・生徒数は、八分野中のトップで、近年の増加ぶりも群を抜いています。
情報処理科の学生数が7万5000人と最も多く、全体の43%を占めます。
次いで土木・建築科の2万4000人(14%)、電気・電子科1万8000人(10%)などとなっており、情報化時代を反映して情報処理科や電子計算機科、電気・電子科で学生数の増加が目立ちます。
課程別では、専門課程の学生が15万8000人で91%を占めています。
また高等課程は1万5000人で、一般課程は700人とごく少数。
修業年限別では、2年が最も多くなっています。
工業分野は公共性の高い分野であり、資格や検定制度が確立しているのが特色です。
このため、多くの学科は通産省、運輸省、建設省など所轄省庁の指定を受け、これらの学科はカリキュラムも標準化されています。
農業分野: 日本農業の活路を切り開く
日本は食糧の大半を輸入に頼り、国内の農業就業者数は一〇%に満たない状態です。
今後、さらに農業生産物の輸入の比率は高まることが予想され、日本の農業施策は大きな転換を迫られています。
こうした中で日本の農業は、(1)後継者の育成、(2)生産性の向上、流通システムの合理化、などを通じて安定した食糧自給を確保するとともに、(3)農業を軸にした第三世界に対する開発援助などを課題として抱えています。
農業分野の専修学校は全国でも13校しかありませんが、国内の農業後継者や農業指導者を育成するとともに、海外の開発協力者や農業後継者などの育成に努めています。
学科のタイプとしては農業全般にわたるものと、食肉や造園、園芸、菌じん(しいたけ)栽培、バイオテクノロジーなど、特定の分野を対象としたものとがあります。
学生・生徒数は1500人程度ですが、それぞれに特色ある学科を設けて、先の課題に挑んでいます。
課程別の内訳をみると専門課程が13校で約1300人、高等課程が3校で約260人となっています。
医療分野: パラメディカル部門のスタッフ養成
現代の医療は、チーム医療の時代を迎えています。
医療の現場をみると、臨床検査技師や診療放射線技師などが診断に必要なデータを提供し、医師は看護婦の補助を得ながら、それらのデータによって診断し、治療するのが一般的です。
薬に関しても薬剤師が配され、身体の機能回復については理学療法士や作業療法士が専門職としてあたり、
歯科の分野でも歯科技工士、歯科衛生士、歯科医師とそれぞれの役割分担がはっきり分かれるなど、医者ひとりでは対応が不可能な時代になっています。
また、今日では東洋医学が見直され、あんま・マッサージ・指圧師、はり師・きゅう師などに対する需要も増大しています。
これらの医療スタッフのうち、医師・歯科医師・薬剤師は大学がもっぱら養成にあたっていますが、その他の専門職の養成は専門学校が中心になっています。
医療分野の専門学校は資格・免許との関係上、所轄は厚生省あるいは文部省となっています。
学生・生徒数は14万4000人に及び、八分野の中では工業分野に次いでいます。
学科別にみると看護科が7万2000人でほぼ半数を占め、以下准看護科2万6000人(18%)、歯科衛生科1万1000人(8%)、歯科技工科6500人(4%)、臨床検査料6200人(4%)、はり・きゅう・あんま科6000人(4%)など。
課程別では専門課程が81%を占めて約12万人、高等課程が2万8000人(19%)、一般課程はごく少数です。
国公立の学校が多いのもこの分野の特色で、学生・生徒数の3割、約4万人が国公立生で占められています。
修業年限は学科によって異なりますが、普通は2〜3年です。
衛生分野: ヘアとフード業界に人材を送る
理容・美容関係と栄養・調理関係が、衛生分野として一括されています。
栄養・調理関係は「衣・食・住」の「食」を担当する職種で、健康で豊かな食生活が求められる今日、その重要性は高まる一方です。
理容・美容関係についても、単なる身だしなみだけではなく、ヘアにファッション性をコーディネートさせた、いわゆるトータル・ファッションの時代に入り、広い意味での「衣」生活の重要な演出者になっています。
この分野も資格と直結していて、それぞれ栄養士・調理師、理容師・美容師の資格取得が第一目標となります。
これらの資格はすべて厚生省が管轄しているため、この分野の専修学校は厚生省の認可を受けています。
カリキユラムは厚生省令によって定められており、理容・美容・調理は300時間以上、栄養は62単位以上を履修しなければなりません。
また、教科内容と時間についても細かい定めがあります。
5万4000人の学生・生徒数のうち、調理師科が2万2000人(42%)でトップ、次に美容師科の1万6000人(29%)が続きます。
さらに栄養士科は9000人(17%)、理容師科は4000人(7%)と少なくなっています。
この分野は高等課程の比重が大きいのが特徴で、全体の生徒数の33%(1万8000人)に達しています。
学科別にみると調理師科が37%(8000人)、美容師科では39%(6000人)、理容師科は51%(2000人)が高等課程の生徒ということになります。
修業年限は栄養士科が2年以上、調理師科、理容師科、美容師科が1年以上とされ、調理師科の79%(1万8000人)、理容師科の96%(4000人)、美容師科の88%(1万4000人)は一年課程の学生・生徒で占められています。
教育・社会福祉分野: 厳しくなる教育者としての就職
教員と保母の養成を主に担ってきた分野です。
教育職員(教員)免許のうち、小学校・中学校・幼稚園・養護教諭二級普通免許、盲学校・聾学校・養護学校教諭1級・2級普通免許は、
大学以外に文部大臣の指定する教育養成機関においても免許状の授与が認められ、実際にはこの分野の専修学校および各種学校でも教員の養成が行われています。
一方、保母に関しては厚生大臣の指定校で養成され、大学以外に専修・各種学校でも指定を受けているところが多くみられます。
現在、教員養成機関として専修学校に開設されているのは、幼稚園教員養成科、小学校教員養成科、養護教員養成科、中学校(音楽)教員養成科の四種類。
学校数も少なく、学生数は5900人あまりで、このほかに保母関係が8700人となっています。
教員・保母ともに児童人口の減少によって、学校・保育所などに就職することが年々困難になっていますが、逆に高齢化の進行により、高齢者や病人の介護に携わる専門職が求められるようになり、
社会福祉士と介護福祉士の資格も六三年から新設され、この分野の重要性があらためてクローズアップされています。
商業実務分野: 一般教養も含め、幅広いビジネス教育
ビジネス全般の実務教育を専門に行う分野です。
最近は伝統的な経理・簿記だけでなく、秘書や情報処理、旅行・観光、不動産などのサービス業全般に及ぶ広範な人材養成をめざしており、学科も多岐にわたっています。
また業務の専門化や高度化、OA化(オフィス・オートメーション)や国際化などに対応して、教科は専門知識だけでなく、
一般教養を含めた周辺分野まで幅広く教育する傾向にあります。
この分野も資格・検定と関連が深いのですが、公認会計士や税理士などの「部を除けば、その資格がないと関連する業務に就けない、といった性格のものは少なくなっています。
しかし、資格の取得は技能レベルの証明になり、就職の際にも優遇されるため、簿記やタイプ・秘書・英語・情報処理・ワープロ・販売士などの検定の受験にも力が入れられています。
学科別にみると、経理・簿記科が3万9000人(32%)と最も多く、商業科が2万6000人(3%)、次いで秘書科の1万5000人(12%)。
経営科は8000人(7%)で、逆にタイピスト科などは800人と少なくなっています。
最近の傾向としては、商業実務全般を教える総合ビジネス系の学科が増えており、課程別では専門課程が82%(10万人)、高等課程が17%(2万人)、一般課程は1%弱(1000人)です。
家政分野: 世界のファッションをクリエートする
日本が世界のファッションリーダーの一員に成長するに際して、この分野は中心的な役割を果たしてきました。
各種学校時代から数えれば服飾教育の歴史は古く、高い技術に裏づけられた教育ノウハウを持っている学校が多数あります。
また、業界の多様化に対応して、学科も伝統的な洋裁・和裁・編物にとどまらず、企画から生産・流通まで非常に広範多岐にわたっています。
この分野は技能やセンスが重んじられ、ほかの分野はど資格・検定が豊富ではありませんが、それでも洋裁・和裁・編物検定はこの分野の大きな目標とされています。
さらに、サービス化の進行とともに、最近では縫ったり編んだりする教育より、いかに消費者のニーズをとらえ、企画し販売するかにウエートが移ってきています。
学生・生徒数は8万4000人あまり。
これまで毎年減少が続いていましたが、最近はまた微増の傾向にあります。
最も多いのは和洋裁科で6万6000人(78%)、あとは家政科8300人(10%)、編物・手芸科3000人(4%)、料理科2900人(4%)、家庭科1800人(2%)といったところ。
衛生分野と同様、この分野も高等課程の生徒が多く、全体の37%(3万1000人)を占めています。
また専門課程も55%(4万6000人)、一般課程も8%(7000人)に達するなど中卒後のコース、高卒後のコース、その他のコースと多様なコースを設置しています。
さらに修業年限別にみても、二年制の学生・生徒数が36%で、三年制が44%、一年制も18%を占めるなど、学習者の目的、レベルに応じてフレキシブルな服飾教育を展開しています。
文化・教養分野: 芸術と語学が主流、理論より実技に比重
以上の7つの分野に含まれないものはすべて、文化・教養分野に入れられています。
ここには広範な学科が含まれていますが、大別すると、
(1)音楽科、(2)美術科、(3)デザイン科、(4)演劇・映画科、(5)写真科などの芸術関係、(6)外国語科、(7)通訳・ガイド科などの外国語関係に分かれます。
芸術関係の学科は、芸術理論を学んだり芸術家を育てることよりも、専門の技能を生かして産業界で活躍する人材の育成をめざしています。
また、外国語関係も伝統的な大学・短大の語学教育とは異なり、役立つ語学の修得を目標とします。
国際化が進み、語学力を身につけた人材が求められる一方で、簿記や秘書、情報処理などの関連知識も欠かせないものになっており、周辺知識を含めて幅広く教育しています。
学生・生徒数は13万8000人と専修学校八分野の中では第3位ですが、このうちの38%にあたる5万2000人あまりを予備校関係が占めています。
その他の学科で多いのはデザイン科の2万7000人(20%)、外国語科の1万8000人(22%)などで、あとはどの科も2000〜6000人程度です。
課程別では専門課程が57%(7万9000人)、高等課程が3%(4000人)、そして予備校が一般課程として認可されている関係から、一般課程の生徒が40%(5万5000人)に達しています。
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三つの課程を持つ専修学校
数ある各種学校の中から、一定の条件を満たした学校が「専修学校」に「格上げ」されたことは以前述べましたが、各種学校制度はそのまま残されています。
ところで、専修学校は現行の教育制度との継続性を保つために、三つの課程に分けられています。
まずひとつは、中学校と継続する高等課程です。
これは中学卒業者を入学対象としており、「高等専修学校」と称されています。
後期中等教育を担う教育機関で、ここで11万6600人が学んでおり、文部大臣の指定を受けた三年制の学科については、卒業生に大学受験資格が与えられています。
次が、最もポピュラーな専門課程です。
高校卒業者を入学対象としており、「専門学校」の名称で広く知られています。
高等学校と継続することから、高等教育機関のひとつとして近年特に注目されているもので、ここには55万8600人が在籍しています。
残るひとつが一般課程で、ここでは入学資格を問いません。
この課程では6万5900人が学んでおり、生涯学習の一翼を担うものとして期待されています。
以上のように専修学校には高等課程、専門課程、一般課程の三課程があり、高校生が入学する専門学校とは、専修学校の専門課程のことなのです。
この点をしっかり頭の中へ入れておいてください。
そうすれば、専修学校、あるいは専門学校、さらに「高等専修学校」「各種学校」「無認可校」を見聞きしても、
「何が何だかさっぱりわかんない」
ということにはならないはずです。
くどいようですが、専門学校=専修学校・専門課程なのです。
当サイトでも専門学校と専修学校を時々使い分けますが、専修学校の呼称の時は高等課程、専門課程、一般課程を含めた時に、また専門学校の呼称は当然、専修学校の専門課程を指しているわけです。
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